鉱物による重金属汚染土壌対策(特定重金属の不溶化)
①吸着鉱物の利用
- 化学的特性や物理性状について吸着鉱物として規格化された資材を対象物に添加することにより、重金属を鉱物中に取り込み内圏錯体化させ不溶化します。吸着鉱物の機能を最大限作用させるため、対象環境の把握を綿密に行い、必要であれば対象環境をコントロールしていくことも重要となります。
シュベルトマナイト
Schwertmannite Fe8O8(OH)8-2X(SO4)X・nH2O(1≦x≦1.75)
シュベルトマナイトは、自然界では鉄に硫酸イオンが配位したトンネル型の構造をしており、硫酸イオンとの配位子交換により、最大で自重の4~8wt%のヒ素を吸着する。シュベルトマナイトは低結晶性の鉄鉱物で、結晶性の鉄鉱物ゲータイトの準安定相鉱物であるが、ヒ素を吸着することで溶解度が下がり、構造的に安定となる。
トンネル型をした鉄鉱物
自然に堆積したシュベルトマナイトを含む地層について炭素半減法により年代測定したところ、1万8000年以上安定であったことが確認されている。
②結晶生成の利用
- 吸着鉱物の構成元素を添加することにより、対象物中で吸着特性を持った鉱物を生成させ、反応時に対象とする重金属を取り込みます。吸着特性を持った鉱物を添加する場合よりも、重金属を効率的に取り込み有効な場合があります。不溶化は吸着鉱物の生成を促すかたちで行うため、対象物の組成によって資材構成要素を最適に調合します。
ハイドロタルサイト
Hydrotalcite Mg6Al2(CO3)(OH)16・4H2O
ハイドロタルサイトは、マグネシウムとアルミニウム化合物による層状の結晶構造を持っている。この層間にある陰イオンは交換可能で、もともと層間に入っている物質と対象重金属との電荷の差等の条件により交換される。
ハイドロタルサイトは、pH=4~13、300℃まで安定であることが確認されている。
全量不溶化
吸着層工法
結晶生成の利用(例:ハイドロタルサイト)
汚染土壌に鉱物系資材を混合することにより、重金属類の溶出を抑制し、周辺への汚染拡散を防止します。
吸着鉱物の利用(例:シュベルトマナイト)
道路盛土等に汚染土壌を利用する場合、底面に吸着能力を有する鉱物系資材を敷設し浸出水に含まれる汚染物質をトラップすることで、地下水水質を保全する工法です。
▎商品ラインナップ
※上記以外のセレン・六価クロムについても、SPEX-Fシリーズによって対応可能です。
また、複合的な汚染も一剤により不溶化可能であり、北大研究室でのトリータビリティテストにより最適な材料を提案いたします。
製造開発 株式会社環境材料エンジニアリング
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